綿爪TAILOR

ハンドメイドのドレッシーなぬいぐるみ。

オーダー品 大魔道士の大狼 制作過程と物語

一点凝るタイプの作家に受注生産は向いていないと思っているけど、ご提案が面白く情熱的だったので初めてデザイン込みのオーダーを受けました。

せっかくなので過程を書いてみようと思う。(※付随して生まれた物語は【】で囲っているので興味がある方はどうぞ。もちろん真の物語はオーナー様の中にあります)


テーマは「魔道士、ベースはスーツの獣人狼、カラーは赤黒×金。どっしり構えた聞き上手、大人な狼」さん。

イメージを頂いて、それを綿爪風に作りながら固めました。

 

イメージラフ
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完成品

 

スーツ狼の改善点も見えてきたので、ジョイントを増やしたり足比率、つき方や張り出し方を改善。

腰にジョイント増やせないかとトイスケルトンなど考えましたがうまくいかず…腰まわりすっきり綺麗にしたかったのでやめました。

肩幅広めで腰細めのスタイル良い形に出来たので満足😊

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服飾について。
大人っぽいイメージなのでデコラティブなキラキラレースが合わなく感じて、シンプル重厚に路線変更。

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裾を長くして、座ったときにバラリと広がったらかっこいいな!

というわけで裾は長めに。

でも立った時のシルエットがスカートみたいに広がるのは嫌なので三角マチをつけて畳む。
袖とズボン裾には黒ブレード入れてるのですが…写真だとつぶれてますね。

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本体を作成する間に勝手なイメージがわいてくる。
【この方は大御所で若手にも優しいが、やけに眼光が鋭くて若手にびびられてしまうことも…。
昔は前線で戦っていたけど時代が変わり、白魔道も黒魔道も理解している立場としていろいろな相談にのるうちに橋渡し役になっているのだろう。
魔道塾兼相談所として事務所を構えた今も眼光にそれを隠せていない。指導は厳しくバトルでは強大な力を見せつけるが、強いから余裕もあるし相手の話に寄り添う心がある。
平和な時代に年を取って丸くなり(本人談)、現代の文化に興味津々だけど、若手に浮き足たっているような所は見せたくない照れ屋な面もある】

…なぜか世界観が魔法大戦を経た獣人魔道士バトルの世の中ですね🙄?

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なのでマントは勝負服であり魔力も防御力も高くなければならない。
重め厚めの生地に古美色の金属光沢のイメージで素材を探して、ベルベットと金塗装の重たげなレースで妖しく妖しく…と作成。
レースをいじるうちに仮面ができそうだったのでデザインに入れる。

裾はぶわっと広がりがほしいので円形で、フードもきれいな菱形になるようにしました。

妖しいフードを外した顔がギャップでなかなか可愛く思えるので、仕事終わりにはバサッと外して周囲を惑わせててほしいですね。

椅子は今回、台座とスツールのセットです。
裾の広がりにこだわったのと、ほかの狐氏たちと違いしっぽの下の裾を割ってないのでおしりに敷いてしまうので。

【事務所の若手弟子狼が毎日せっせとほこりをとったり目を整えています。
たまに寝坊して忘れる弟子もいて、気付かれないかドキドキしていることもお見通し】

マントの下の着衣は仕事着でもある上質なスーツ。
19世紀の男性貴族をイメージしつつ華やかファンタジーに寄せる。
よぎる狩○業検事(逆転裁判)😂

【スーツの仕立てやマントの補修は全て"綿爪TAILOR"に任せている。大戦後の混乱の残る街中にいつの間にか建っていた狐のテーラー
弟子をよくお使いに通わせているが、店主との話を楽しむためにたまに自ら訪れている】

ポージングが手持ちぶさたにならないよう、フェルトの本をおまけに作りました。
表は椅子と同じ別珍。
魔術や呪文が書いてあるのか、魔道界の六法か、長い小説か…。
本でなくても、知的興奮をそそるものは好きそうですね。
おすすめの遊びや本やハマっている活動を聞いてきそう。

【最近はやっと平和だから、仕事や戦いに関係ない、他愛もない話を聞いたり本を読めるのが楽しい】

そんな風に、貴方に話しかけられるのを待っているのかもしれない。